位牌は亡き人そのもの
ですから感情移入されることも多く思わぬ問題が起こることもあります
両家の位牌は喧嘩する?
 例えば、奥さんが姉妹の長女で男兄弟がいないという場合、奥さんの実家の位牌をご主人のお仏壇でお祀りするということがあります。実際にそのことで悩まれる方は随分といらっしゃいます。

 亡くなっていまえばそれで終わり、ではなく、位牌は生前の様々な感情を引き継いで行きます。もし両家の仲が良くなければ、同じ仏壇の中にお祀りしたくないと思うものなのです。

 基本的には同じ仏壇の中に奥さんの実家の位牌をお祀りしても大丈夫です。故人は成仏し、仏となっているのですから仏壇の中で両家のご先祖様が喧嘩するようなことはありません。奥さんの実家の位牌の数が多い場合、例えば奥さんのお母さんの実家の位牌などもある場合は、奥さんのご両親の位牌以外は一本の位牌に「先祖代々之霊位」としてまとめてしまうこともできます。

 どうしてもご主人の家の仏壇にお祀りできないという場合には、奥さんの旦那寺に預かってもらうということです。

実家からもってきた位牌をお祀り出来ずに悩む
 嫁いできて実家の位牌をお祀りできずに悩んでいる方はたくさんいます。あなただけの問題ではありません。

 特にご主人のご両親がご健在の場合には、位牌をご主人の仏壇の中に入れるということは、結構勇気のいるものです。言い出せなくて結局自分のタンスの中にしまって、折に触れて取り出してみては位牌に向かって「ごめんなさい」と謝っている場合も多いのです。ご主人がこうしたことに無頓着・無関心であったり、知らんぷりをする場合にはさらに困ります。

 こうした場合には夫婦の部屋にもうひとつ小型の仏壇か厨子をお祀りしてみるのも良いことです。それは悪いことではありません。

自分の宗旨とご主人の宗旨が違う
 結婚後に位牌で問題が起きるもうひとつの問題が、浄土真宗以外の宗派の方が浄土真宗の家に嫁いだ場合です。浄土真宗では原則として位牌をお祀りしませんから、位牌をご主人の家の仏壇にお祀りすることも原則としてできません。

 ご主人の家のお寺様に相談すると「過去帳か法名軸に書き入れましょう」という答えがきっと返ってくるはずです。浄土真宗では位牌の代わりに過去帳あるいは法名軸を用いるのです。

 ということは、ここであなたも浄土真宗に改宗するということです。先祖を含めての改宗です。

 一方、あなたの実家のお寺様は檀家が一軒減るわけですから、あまりいい顔をしないかもしれません。

 難しい問題です。その上ケースバイケースです。お悩みの方はメールでご相談ください。