皆さんがよくご存じの乳白色のローソクはパラフィンから作られたローソクです。パラフィンは石油を精製する過程で作られるもので、材料として安価なものです。このパラフィンを原料とするローソクは十九世紀にヨーロッパで発明され、日本では明治時代に製法が輸入されました。明治時代、大正時代はローソクの火は生活に欠かせないものであり、パラフィンローソクの登場により、より安いローソクを多くの人に供給することが可能となりました。
日本ではそれまでローソクといえば、櫨ローソクや蜜ローソクが使われてきました。櫨ローソクは櫨の実から採られる蝋を材料としたもので、現在でも数少ない職人の手で作られています。蜜ローソクは飛鳥時代から使われているものです。蜜ローソクの原料は蜂の巣の材料となる蝋であり、蜂の分泌液です。この蜜ローソクはキリスト教でも古くから使われてきており、宗教的な歴史をもったローソクであるといえます。
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