熊本に嫁いだ娘の家族が来たこの三日間は、私ども老夫婦にとってまさにミニ台風の渦の中。孫は来て良し帰って良しと言いますが、その言葉を実感しました。 娘一家を最寄り駅まで見送って家に戻り、ホッとしていた時です。居間の電話 […]
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父は、今年八十四歳。一人暮らしの自立老人だ。毎朝、仏壇にたきたてのご飯と水をお供えし、長いお経を唱えて一日が始まる。 朝だけではない。一日の終わりにも、必ずありがとうございました、と感謝の言葉と共に深々と仏壇に頭を下げ […]
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付き合っている彼女の家に、仏壇がある。彼女の祖父が祀られているらしい。私が育った家には仏壇がなかったし、その作法も知らなかったので、しばらくは仏壇のことは特に気にはしなかったのだが、なんとなく気になっていたので、彼女に […]
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我が家の仏壇は賑やかだ。今日この頃は、バレンタインデーのチョコレートが仏前に重なっている。 遠くに住む二人の息子たちが帰省すると、お土産の煎餅の箱や、祖父へ買ってきたお酒が、とりあえず仏壇の前に置かれる。 就職 […]
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先祖伝来の我が家の仏壇は木肌が黒ずみ傷みもあったので、父が亡くなって三年目に(昭和五十年頃)、母が修理に出した。戻ってきた仏壇に思わず目を瞠った。全体が黒の漆で塗装され、破風や内部には金が塗られてお寺の「金堂」と見紛う […]
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朝、起きたら、お仏壇の水をとりかえ、お線香をあげる。ごく自然な光景として、小さい頃の記憶に残っている。 家にお仏壇がある。自分にとっては、それが当たり前の子ども時代を過ごしてきた。親戚がやって来て、お仏壇のまわりが賑 […]
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大人がご先祖様の供養と合掌している姿を見て育った娘。 小さい頃からお仏壇の前で、見よう見真似ですがリンをたたき 「なぁーむ」 と言いながらご先祖様に挨拶しています。 母が庭で育てた季節の花を摘みながら 「この花は、 […]
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私が子供の頃、我が家には立派なお仏壇があった。金箔の存在感を誇示するような大きな仏壇だったが、昭和二十年三月十日の東京大空襲で焼失した。両親と兄弟五人は奇跡的に命だけは助かった。私たちは戦禍を逃れるようにして北海道に疎 […]
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大人がご先祖様の供養と合掌している姿を見て育った娘。 小さい頃からお仏壇の前で、見よう見真似ですがリンをたたき 「なぁーむ」 と言いながらご先祖様に挨拶しています。 母が庭で育てた季節の花を摘みながら 「この花は、大き […]
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亡き父が定年退職した時に求めた仏壇は、当時の両親にとっては、ささやかな贅沢品でした。こじんまりした造りの紫檀製で、我が家をじっと見守ってくれています。 お初のご飯とお茶は、お仏壇へあげてからでないと喉を通りません。娘 […]
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