私が幼い頃父が亡くなり、母と私は母の実家で暮らしています。 実家には母の妹達、つまり叔母が二人。それに大阪で働いていたけれど病気になり、実家へ帰ってきた叔父が一人、合計五人家族です。 兄妹は、気心がわかって理解し合え […]
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私が高校生の時、とても不思議な夢を見ました。あれから、30年近く経過していますが、まるで今朝見た夢のように、今も鮮明に蘇ってきます。それは、このような夢でした。 私は焼け跡に佇んでいます。自宅が全焼したのです。肩を落 […]
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我が家の仏壇はかなりの年代物で大きい。塗りも剥げていて、金と黒のまだらである。実はこの仏壇、我が家を建て直す際に買い換えるはずだったのである。ところが、祖父が自分が買った仏壇にはこだわりを持っていて「買い換えることはま […]
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九〇代の祖母は今まで何人もの人々と死別している。そして、私は祖母のこれまでの人生を考えて、こう思う。死者は遺された者に勇気とやさしさを与えてくれている。 以前、祖母は仏壇の上の祖父と父の遺影を眺め、毎日愚痴をこぼして […]
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たま、という猫がいた。三十年も前のことだ。祖母が勤めの帰り道に拾ったノラで、しっぽが極端に短く、睾丸が丸見えだった。それで「たま」。白地に黒しまのおおきなオス猫だった。 その「たま」は仏壇の中で寝る猫だった。昼間、た […]
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「いっくら泣いたって、あの子の病気が治るわけじゃない。あんたも母親なら、もっとしっかりしなさい。」未熟児、そして先天性の心臓病。片手に乗るぐらい小さいガラス細工のような我が子を目の前に後退りしてしまいそうな私の心を叱って […]
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昨年12月より3月10日まで、小社ではフォトエッセイコンテスト「わが家のお仏壇物語」の公募を実施し、約百通ほどのご応募を頂きました。いずれの応募作品もお仏壇に対しての想いが伝わる秀作でしたが、下記のように入選を決定いたし […]
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