道楽者であった父が六人の子供を残して亡くなった。勿論財産などあるわけがない。金が入れば遊興に費やしていた父だったから。 働き手を失った母は戦後の食糧難の時代を食べ盛りの子をかかえ、女工として得るわずかな賃金をやりくりし […]
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3歳になる娘は、親の私が言うのもなんだが、信心深い。夕食前に風呂に入り、風呂から上がると、髪も乾かさずに仏壇の前へ走っていく。ご飯、お水、ろうそく、お線香をお供えするためだ。 私の父は私の学生時代に亡くなっており、母 […]
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「お母ちゃんが大事にして来た仏壇を守っていくのが、長男の嫁の勤めやろ!」。舅・夫・姑の順に送り、子供のない私が今後施設に入所する事になっても持って行ける小さな仏壇に替えたい旨、親戚に伝えた時の返事が冒頭の怒声であった。 […]
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