専門紙「月刊宗教工芸新聞」が提供する
仏壇と仏壇店情報
第16回わが家のお仏壇物語
癌を告知された。32歳。子どもは1歳になったばかりだった。 自覚症状は全くなく、何かの間違いだと思った。育休から復帰したばかりの職場でも少しずつ仕事を任せてもらい、楽しいときだった。理由などないのに、どうして、なんで […]
私の村ではお講様を守っています。親鸞聖人の祥月命日に合わせて順番に村の家々が宿となり、正信偈の唱和と御文の読み上げを行います。祖父が亡くなり、父が亡くなり、十数年前から私がお講様に出ています。 お講様の導師は、昔は家 […]
母一人、子一人。母が亡くなり、もうすぐ6年になる。 母は塗装職人で、女手一つでぼくを育ててくれた。なぜぼくには父がいないのか、最後まで聞けなかった。 母が脳こうそくで倒れたとき、ぼくは高校3年生で、受験勉強の真っ最中 […]
つらい別れは突然やって来た。 今年元日。奥さんの実家に帰省していた兄が被災に遭った震源地はマグニチュード7.6。 電話をしても繋がらず、とにかく仏壇に手を合わせ、無事を祈った。一分が一時間に感じられ、一時間が一日に […]
「俺の仏壇を買おうかと思ってる。」 80歳を超えた父が、ある日ポツリと母に言ったという。母は、 「何ばかなこと言ってるの!娘たちに世話させるつもり?迷惑だわ。」 普段は母にきつく言われると何も言えない父が、 「いいだろう […]