専門紙「月刊宗教工芸新聞」が提供する
仏壇と仏壇店情報
第16回わが家のお仏壇物語
「仏壇磨き」が私のお仏壇の思い出だ。 私が⽣まれてわずかで病床の祖⽗がこの世を去ったため、祖⽗との思い出がない。それ故、私は⽣粋のおばあちゃん⼦だ。幼い頃は隣の祖⺟の家に毎⽇顔を出し、おやつをもらったりおしゃべりしたり […]
実家は明治中期に建てられた茅葺屋根の家で、間取りは今でいう6KS。田舎なので広い家でした。南の縁側は日当たりが良く、北側の庭には可憐なユキノシタが花を咲かせていました。広い家の割に仏間はなく、20畳ほどの広間の端っこに […]
ぐちをいわない母親にかあちゃん 結婚式にきてね目が不自由 迷惑かけるから留守番するよ反対しないで当日迎えた手を引いて 壇上で花束わたすべきだったくやんで 涙が 流れおちた かあちゃん 枕もとのおんぶひも なあに震災があっ […]
今から5年前。父が病死してから一人暮らしをしていた母が、85歳で他界した。 子どもは私と妹だけだったが、2人とも嫁いでしまった。実家の跡継ぎが誰もいない状況で、先祖祭りをどうするか悩んでいたところ、夫の提案で、我が家 […]
仏間はひんやりとしていて薄暗く、仏壇は豪華だが不気味だ。とくに位牌はお墓みたいな形をしていて怖い。夏休み、田舎のおばあちゃんの家に泊まりに行くのが楽しみだったが、寝床はいつも仏間だ。帰るころにはすっかり慣れて何ともない […]
我が家のお仏壇は、リビングのチェストの上にある。三年前に購入した、母を祀るための小さなお仏壇だ。 女手ひとつで育ててくれた母は、齢五十三で急逝した。くも膜下出血だった。一人娘の私が喪主となったが、三十路になったばか […]
ある日届いた段ボールの箱、たいして大きくも重くもない。夫が梱包を開けて何やら組み立て始めた。 「おーい」と私を呼ぶ声がする。そこには三十センチばかりの箱状の物があった。よく見るとそれは仏壇だった。紫色のクレマチスの花の […]
「震度5強と聞いてビックリしたけど、無事で良かった。…お仏壇も大丈夫だった?」 今年元日に能登半島で起きた大地震。電話をかけてきたのは九州に住む親戚の婦人(90代)です。私ら一家が父の仕事で、富山県高岡市の実家を長年離れ […]
「門が開いているよ。ちゃんと閉めたの」って母から言われて僕はビックリした。 それがあったのは、仕事の夜勤明けから家についての出来事で、それが一年に二度もあるから、すごく不思議だ。 母に「なんかの霊でもついて来たんじゃ […]
父母は長子ではなかったから、仏壇は遠いものだった。しかし俺は一人っ子で、母が亡くなったとき、小さな仏壇を置くことになった。 ここまでは特に問題はなかった。しかし問題は父が亡くなったときだ。 父は破天荒な人で、家に帰 […]