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第5回わが家のお仏壇物語

八田神仏具店賞「仏壇で今もつながる祖母と祖父」谷本 綾乃(東京都・42歳)


夫の祖母は86歳。32年前に伴侶の祖父を亡くしている。ガンであっという間だったという。
以来、月命日の28日には墓参りに行く。歩いて行ける距離だからというのもあるが、先祖のお墓が遠い田舎にあって、めったに墓参りに行く機会がない私には、毎月というのは驚きの習慣だった。

最近祖母はひざが痛い、ひざが痛いと言う。階段を下りるのがつらく、杖をついて外を歩くのも疲れるそうだ。あれほど欠かさなかった月命日のお墓参りも、ぷっつりやめてしまったほどだ。

祖母の家とベランダでつながった夫の実家に仏壇はある。祖母は毎朝、仏壇にごはんを供える。初物の果物があればそれを。いただきものがあればそれを。おせんべいやかりんとうのこともある。亡くなった祖父が好きだったのか、それとも祖母の好みなのか。私の子どもたちがお供えをもらってくることも多い。

毎日仏壇に語りかけて、月命日にお参りして、祖母はずっと祖父を慕っている。「若いころは家に帰ってこないときがあって。憎らしいと思ったわよ、そりゃ」なんて小指を立てて話してくれる。それでも今、二人はつながっている。

私も夫とそういうふうに歳を重ねていけるだろうか。でも家に帰ってこないというのはなしでお願いしたいなあ。

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