四十才を過ぎた長男の立場である、夫に頼んで、仏壇を買ってもらいました。 しっかり入魂されたお坊様が、お膳の物を次々と召し上ります。「面笑しい、面笑しい」と、首をかしげながら、大変に悦ばれ、お酒も再々お注ぎしました。本 […]
もっと読む
私の記憶の中には、わが家にはいつもお仏壇があった。月命日に坊さんの読経を頂くこと60年に及んでいる。これは私が生まれる前から始まっている。 かつて、居間兼食堂兼応接室兼勉強部屋である6畳1間のわが家に金箔付きのお仏壇 […]
もっと読む
私が物心ついたとき、すでにお仏壇はあった。小机の上に飾られた、幅五十センチ、高さ七十センチほどの黒塗りで扉の裏に金箔が貼られたこじんまりしたもので、私が生まれる二ヶ月前に亡くなった兄の供養のためのものだった。父は七人兄 […]
もっと読む
お仏壇の前に座ると、田舎で過ごした子どものころの風景が浮かんできます。 見渡すかぎりの田圃には縦横に小川が流れていて、ところどころに堰があり、その中に入って遊ぶのが夏休み一番の楽しみでした。 網を持って構えたところ […]
もっと読む
高校受験の前、インターハイ出場が懸かった試合当日、家族が手術を控えた朝…。大切な一日の始まりには、必ずお仏壇に祈ってから出掛けた。 「良い結果が出ますように…」。 だが、それらは何かが違うことに気付かされた。2才にな […]
もっと読む
三十年前我が家に主人の両親と、ご先祖さんが引っ越してこられました。 ご先祖さんの御世話は義父母が行っていましたが、朝夕の食前の読経は義父の日課でした。 この頃結婚八年目の私は、小学生の娘と三歳の息子を義父母に託し、 […]
もっと読む
盆や彼岸など、仏壇に向き合う機会は多い。細長く立ち上る二本の線香の煙。静かな和室に響くお鈴の音に耳を澄ませて、そっと遺影に手を合わせる。目を閉じた私はいつも、心の中で色々なことを話しかける。この頃家族にあった出来事、世 […]
もっと読む
私の実家は宮城県石巻市である。間もなく喜寿を迎える長兄が8代目として旧家を守っている。東日本大震災で、家屋は一部痛んだが、住めないほどの被害ではなかった。しかし、今後の地震に備えて、長兄は新築を選んだ。昨年の秋、家は完成 […]
もっと読む
一人暮らしが長く、帰省するのは年に1、2回程度。 お仏壇とほぼ無縁の生活を送っている私だが、最近気づいたことがある。 先日、11年飼っていたウサギが老衰で亡くなった。 ペットとはいえ、長い年月共に暮らしてきた大切な家族。 […]
もっと読む
生前、お仏壇の礼拝を日夜欠かさぬ母に尋ねた事があった。 『死後の世界ってあるのだろうか?』との私の問いに 『死後の世界から生き返った人がないんだから、誰もはっきりと分かる筈はないでしょう。でも、私達を超えた計り知れない大 […]
もっと読む