専門紙「月刊宗教工芸新聞」が提供する
仏壇と仏壇店情報
お知らせ
嫁ぎ先にお仏壇があって、私が実家から持ってきた仏壇がある。家の中に2台のお仏壇がある。「それって、何か変?」「不幸なことが起こるの?」と感じる方が、たくさんいらっしゃるはずです。
家の中に仏壇が2台あっても3台あっても、変なことではありませんし、不幸なことも起こりません。前述の通り、嫁ぎ先のお仏壇と実家から持ってきた仏壇の2台があるご家庭は珍しくありません。
一方、2台のお仏壇のお世話をすることはなかなか大変ですので、一台にまとめる方もたくさんいらっしゃいます。ただ、日本の場合、事情をややこしくするのは、「宗派」の違いです。私の家は日蓮宗で、嫁ぎ先は浄土宗。日蓮宗と浄土宗ではお祀りの方法が違いますので、2台の仏壇のお祀りを、そのまま一台にまとめることは難しいのです。
その上、「嫁ぎ先のお仏壇に、実家の位牌や過去帳をお祀りするなんて、許さん!」的な習慣が根強くありましたので、こっそり実家のお位牌や過去帳を嫁ぎ先でお祀りしているという方も多くいらっしゃいました。
が、もっとも分かりやすいまとめま方は、嫁ぎ先のお仏壇の中に、実家のご本尊と位牌と過去帳をお祀りすることです。基本的に、それで問題はありません。ご本尊のお祀りがサイズ・スペースの関係で無理な場合は、ご本尊は魂抜きのご供養をして、お寺様に引き取ってもらいます。
嫁ぎ先のお寺様にも、そのお祀りでご供養をして頂くようご理解をいただきます。「そんなことはできない」というお寺様の場合、そのお寺様とのお付き合いをしながらも、両家のご先祖ご供養をしていただけるお寺様を探しましょう。
今回は何台かのお仏壇をお祀りするご家庭の例を紹介します。
(2016年第8回フォト&エッセイコンテスト「わが家のお仏壇物語」応募作品より)
「わが家自慢のお仏壇」
私達夫婦はお互いに再婚同志で今年で5年目になります。我家の居間は毎日とても賑やかです。何故なら4軒分の御先祖様達がいらっしゃるからです。
主人の方の両親、先祖代々、主人の母方の先祖代々、私の方の両親、先祖代々それから母の方の先祖代々と並んでおります。
一番右端が主人の側の御先祖様、横が私の側そしてその隣が主人の母方、最後に私の母方の御先祖様です。
4軒中お互いの母方の仏壇は何と手作りなんです。仏壇を買う余裕もないので、主人が心込めて造りました。扉の代わりに布でカーテンを付けてみました。人様から見たら何て事でしょうと思われるでしょうが、いくら高額な仏壇があっても、ただ置いてあるだけのお仏壇に比べたら、ずっと立派だって自慢したくなります。人間もそうですけど、表面だけいくら良く見せても、一番大事なのは中身ですよね。
毎日食事も朝、晩と差し上げてます。
今日も一日良い日であります様に!