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手になじみ、心が温もる数珠作り 山田念珠堂(大阪)

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手になじみ、心が温もる数珠作り
山田念珠堂(大阪)


 山田念珠堂の数珠工房の中には音がある。数珠の仕立て場は通常は静かな世界だ。指を動かすことで軸房を編む数珠職人は黙々と仕事をし、そこにはほとんど音がない。

 山田念珠堂の工房では、軸を編む機械が常に稼働し、軸を作るための糸縒りをする機械が動き、房を編む機械も稼働する。その機械が発する音が工場内に山田念珠堂ならではの活気を生み出す。

 軸や房の製作を自社工房内で機械化していることが山田念珠堂の数珠作りの大きな特徴だ。

 山田念珠堂が全自動組紐作成装置を完成し特許を取得したのは1989年(平成元)のこと。その後、全自動凡天房結束組機を完成させ、現在では数珠メーカーとしては珍しい撚り房の製造機械も稼働しており、オリジナルの細房(弥勒房)から従来の新松・松房、量販用、片手用までの製造を行っている。

 作ることへのこだわりは、山田念珠堂が数珠の仕立てメーカーから出発したのではなく、玉の加工を行ってきたという経歴のその源流がある。

「山田念珠堂は貝細工や珊瑚を加工し、髪飾りを生業(木工・漆塗・彫等)としている家業から始まっています。簪(かんざし)の先に飾りとして付けられる珊瑚玉の加工も主な仕事でした。それらの玉類を戦前は大野屋さんという御店に卸していました。その大野屋さんが数珠を製造していたことから、祖父の山田梅吉が大阪の数珠屋大松で修業し、明治38年に数珠の製造卸売りを始めたのです。玉加工は私の父である山田義郎の時代まで行っていました」(宗教工芸新聞2018年5月号掲載の連載より)

 山田念珠堂は玉の加工から入り、山田和義社長は家業の手伝いで玉の研磨をしたことも回想する。

 

 玉の研磨の経験を持つ山田社長のこだわりは「選別された特級の珠」と「それ以外の珠(ディフュージョンライン)」という商品区別にも現れ、この区分が専門店への信頼も築いてきた。そして日本製であることを示すオリジナルタグも付ける。

 

 

 軸と房の社内工房内製化は、この分野での外注職人の減少を見越してのことであると同時に、職人による品質のバラツキを無くし、均一な品質、例えばしなやかで張りのある軸の安定した製造を目指すものだ。
もちろん社内では熟練の職人による珠数製作も行われており、その品質には定評がある。

 

 数のまとまった数珠の発注では納期などに応えることのできる存在として山田念珠堂の存在感が高まっているのは、軸房製造体制が整っていることにあり、さらに品質的にも確かな表示で安心できることにある。

 山田念珠堂の理念は「手になじみ、心が温もる数珠作り」。数珠は手にした時から、新たな物語の始まりを感じさせてくれる法具。あなたの心と人生に寄り添う数珠を山田念珠堂は作る。

 

 


山田念珠堂 大阪市天王寺区東高津町6番13号 TEL.06-6768-7815(代) FAX.06-6763-1335


写真の転載を固くお断り申し上げます。

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