専門紙「月刊宗教工芸新聞」が提供する
仏壇と仏壇店情報
第12回わが家のお仏壇物語
「じぃちゃん、今日は成人式やったよー。」 昨年7月、あっという間に旅立った祖父に成人式の報告をする末娘。 さっと手を合わせ、くるりと向きを変えると 突然、興奮気味に語り出す。 「小学校の先生がきてくださってたわ。」 「お […]
私のおばあちゃんの家にある仏壇は宙に浮いている。小さい頃から気になっていたので、私は母に聞いてみることにした。すると母はこう言った。 その仏壇は、生後6ヶ月でこの世を去ってしまった祖母の長男のためのものだった。昔、仏壇を […]
あれは私がまだ5歳くらいの熱い夏の日の午後だった。 他の部屋よりなぜかちょっぴり涼しいお仏壇のある部屋で、ひとり遊んでいたときのこと。 ふと、お仏壇を見ると、複数ある扉が気になった。 「この扉、いつも開いているけど閉まる […]
「おじいちゃん、おいしいお菓子買ってきたよ」毎週土曜日、1週間分の食糧を買い出しに行った帰りに父の好きなお菓子を仏壇にお供えする。飴やキャラメル、おせんべい、饅頭、たまに地方のお土産など。まるで子どもの仏壇のようだ。 父 […]
実家へ帰省するお盆。 娘はとってもきれいねぇ!エルサみたい!と大喜びしていました。 ひいおじいちゃんのお仏壇。いつもひいおばあちゃんが娘のためにおやつをおいて迎えてくれてました。 娘は大喜びでなむなむしてくる!とおやつを […]
2020年1月22日 わたしのおじいちゃんは天国へと旅立った。 頑固で愛情表現が下手なおじいちゃんだった。 でも、いつも家族のことを思ってくれていた。 その頑固さに腹が立って、 「お盆には胡瓜に乗って来て茄子で帰るんじゃ […]
仏壇のある暮らしを私はその家で学んだ。 私にとって夏休みといえば片道6時間の母の生家への帰省で、祖父母の家はひたすら楽しいだけの場所だった。 スイカ。風鈴。素麺をすすり柱に身長を刻む。線香花火。茄子や胡瓜は馬になる。 そ […]
わが家の仏間には「生きとし生けるもの」が仲良く同居している。まさにリビングルームだ。 わが家では相次いで仏を送り出した。 2014年10月に弟が亡くなった。生まれながら心臓が悪く、数々の大手術を両親と乗り越えながら44歳 […]
今でも、亡くなった祖父が夢に時々出てくる。 そして私は、今でも思い出す。 お墓や仏壇を見るたびに、「心の中で手を合わせとればええ」と言った祖父の言葉を。 毎日欠かさず仏壇と神棚に手を合わせる祖母とは正反対に、祖父が手を合 […]
私には3歳で亡くなった弟がいる。私が5歳の時だった。それ以来、母に倣ってお仏壇に手を合わせたり近況報告をすることで、弟とのコミュニケーションが取れているような気がしていた。なぜかお仏壇の前に正座をして話しかけると心が落ち […]