専門紙「月刊宗教工芸新聞」が提供する
仏壇と仏壇店情報
第14回わが家のお仏壇物語
子どもの頃、私はいつも祖母のお勤めの声で目が覚めた。祖母は朝晩お勤めを欠かさなかった。それは父母に受け継がれ、今は弟夫婦が受け継いでいる。認知症の母は今でも「お仏飯をお供えしたか」と、毎朝、弟夫婦に尋ねるそうだ。 私が結 […]
「リレーと同じ」 母が天に召され、誰もいなくなった実家から我が家にお仏壇を引き継いだ。そのお仏壇は、購入してから約半世紀が経っており、さすがに経年劣化していた。妻や息子夫婦とも相談して母の三回忌を機に新しいものに買い替 […]
2020年の暮れ、癌を患っていた母が亡くなった。 近親者に亡くなった者がなく、通夜、葬儀、49日、納骨、何もかもが初めて行うことばかりで戸惑うばかりだった。 仏壇選びもそうだ。 我が家には仏壇がない為、全くイメージが出来 […]
私が子供の頃からお家で任されていたお仕事は、仏壇のお茶とお水とご飯を下げることと、お灯明を消す事でした。 これは子供の頃からお嫁に行くまでずっと続けていました。 母も仏壇のお花や御供物、掃除、手を合わせることをいつ […]
私は看護師になって10年が経とうとしている。 私が看護師になれたのは、お仏壇の中にいる大好きだったじいちゃんの存在がある。 高校生の時じいちゃんが脳梗塞で入院し、病院にお見舞いに行っていたことがきっかけで看護師を目 […]
「俺は死なない」が口癖だった夫。タバコも酒もやめず、やめたのは通院くらい。いくら注意したかもわからない。いくらケンカしたかも。結局夫が亡くなったのは65歳。その早すぎる死に誰もがショックを受けた。 夫の死後は抜け殻のよう […]
私と母は、お仏壇の前に座り、手を合わせ、死んだ祖父、祖母、父の法名を読みあげて、 「どうか成仏してください。」 と、お祈りした後で、父に、近況報告をしている。 「十月に、おばさんが、亡くなったよ。もうすぐお正月がきて、令 […]
私の16歳年上の長兄が、太平洋戦争で戦死して80年の歳月が流れた。私の父は、遺骨は戻らず何も入っていない空の骨箱と、位牌をリンゴ箱の上に置き、長兄に朝夕線香を供えていた。当時、我が家には仏壇が無かった。育ち盛りの子供たち […]
その日は朝から蒸し暑く、早朝よりセミの鳴き声が一層暑苦しく近くの公園から聞こえてきた。 お盆が近くなった日の朝、新聞に仏壇の広告が入っていた。夫はこの広告をじっと眺めていて、 「お母さん。お昼から仏壇を見に行こうよ」 「 […]
この写真からわかる通り、うちは寺である。私の実家にはお仏壇が無かったので、私はこれを“仏壇的玉の輿”と考えて、たいそう喜んでいた。 ところが、浄土真宗では寺も、寺の中のものも全て門徒のものなのである。私物ではない。なので […]