仏壇選びの達人

専門紙「月刊宗教工芸新聞」が提供する
仏壇と仏壇店情報

第14回わが家のお仏壇物語

銀賞「リレーと同じ」 小澤和夫(兵庫県・62歳)

「リレーと同じ」

 母が天に召され、誰もいなくなった実家から我が家にお仏壇を引き継いだ。そのお仏壇は、購入してから約半世紀が経っており、さすがに経年劣化していた。妻や息子夫婦とも相談して母の三回忌を機に新しいものに買い替えることにした。

 お仏壇の引っ越し時にお世話になった店を尋ねた。妻と二人で行こうと思っていたが、近くに住んでいる息子家族も一緒に来てくれた。私達夫婦よりも息子夫婦の方が真剣に説明を聞き、小学校二年生の孫息子も一緒に吟味を重ね、我が家に違和感のない現代風のお仏壇を選んでくれた。顔見知りの店員さんからは「お孫さんも一緒に選んでくれるって本当に幸せですよね」と言ってもらえた。うれしくて「ありがとう」と息子夫婦に礼を言うと、息子は「親父の次は僕で、その次はこいつだから」と孫息子の頭を撫でながら言ってくれた。それを聞いていた孫息子が「リレーと同じだね」と言った。本当にそうだと思った。

 お仏壇本体は変わってもご先祖様の霊を祀り、敬う気持ちはずっと続いていく。それは、何代にも渡って毎日お仏壇に対座し、線香を上げて合掌することで表現され結実されるのではないだろうか。

私は我が家にお仏壇があるという幸せを自覚してリレーの一員としての役割を果たし、次代のランナー達に繋げていきたい。

仏壇公正取引協議会
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