仏壇選びの達人

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第16回わが家のお仏壇物語

佳作「かあちゃんごめんね」 柳 徳子(栃木県・85歳)

ぐちをいわない母親に
かあちゃん 結婚式にきてね
目が不自由 迷惑かけるから留守番するよ
反対しないで当日迎えた
手を引いて 壇上で花束わたすべきだった
くやんで 涙が 流れおちた

かあちゃん 枕もとのおんぶひも なあに
震災があった時 火事があった時 お前をおんぶして避難助かったおんぶひも
裸足で逃げたんだよ 気がついたらね
おんぶひも 現代の人知らないよね
かあちゃんごめんね ありがとう

とうちゃん病死 母子家庭
かあちゃんも病死 タンスあけたら着物帯
私が就職人のまねして職員旅行で買った物
姉に聞いたら 宝物だとタンスに保管
姉に抱きつき ワーワー泣いた
東京だよ おっかさん
久ぶりに手を引いて 親子で歩ける嬉しさに 小さい頃が浮かんできますよ
おっかさん ここがここが二重橋……
島倉千代子のこの歌に 私は泣いてます

母の結婚生活は東京
私の大学生活は東京
それなのに 誘うことも案内する事もなし
自分のことで精いっぱい思いやり0でした。
今年結婚60年 娘2家族ホテル予約済
耳遠く痴呆がかった私

仏壇公正取引協議会
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