仏壇選びの達人

専門紙「月刊宗教工芸新聞」が提供する
仏壇と仏壇店情報

第17回わが家のお仏壇物語

金賞 「そのままでいいんだよ」小林博子(愛知県・39歳)

祖父が死去した翌年、私の「発達障害」が判明した。社会に適応できず、対人関係に悩み、転職を繰り返していた。 「私って変だよなぁ?」と聞くと生前の祖父はこう言ってくれた。 「ヒロコは何も変じゃない」 祖父の仏壇の前で 「じい […]

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銀賞「おはぎ」角田ゆきえ(宮城県・52歳)

父はおはぎが大好きな人だった。そのせいか昔から我が家のおはぎ率はかなり高い。多い時には毎週おはぎという月さえもあった。小学生の頃に他のお家ではカレーが多いと聞き、おはぎじゃないんだと不思議に思っていた程だ。 高かったおは […]

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銅賞「ありのままの姿」三宅加代子 (福岡県・78歳)

昭和55年冬医師によばれ、「がん」であることを告げられた。「まさか!」私はうろたえた。今ほど医学も進んでおらず、がんは即、死だと思っていた。事態の急変に、心がついていかなかった。なぜ健康な私が、病気になるのかが信じられな […]

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銅賞「バトンタッチ」井上英敏 (埼玉県・80歳)

  次男坊の私が仏壇を買う事など、全く想像したこともなかったのだが…。 結婚して丁度1年後に授かった長男が3歳になった時、突然小児がんに冒され、私達夫婦を残したまま旅立ってしまった。しばらくは、急造りの祭壇に安置した小さ […]

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八田神仏具店賞「息子たちのために」星川千里 (愛知県・76歳)

六歳まで住んだ実家にある仏壇は、襖二枚分の大きさがあった。後から考えてみると、普通の田舎家に置くものにしては、不釣り合いな感じがしないでもない。 とは言え年に数回、我が家を訪れるお寺の住職は、 「こんなに立派なものには、 […]

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田中佛檀賞「『子ども』に帰れる場所」 にしの桃子 (愛知県・34歳)

「ご実家は、どちらですか?」 私は、そう聞かれるのが苦手です。たとえ初対面の方との、何の気なしの会話でも。 私の実家は、四年前に母が他界したときに、なくなりました。もともと母子家庭で、母と二人で賃貸暮らし。娘の私が結婚し […]

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佳作「守り続けたい故郷のお仏壇」中武健次 (宮崎県・73歳)

毎年、八月のお盆になると、故郷を離れ、街で暮らす兄や姉達が、誰も住んでいない山奥の故郷の家に帰省し、ご先祖様の供養をする。故郷の我が家は百年以上も続く古い木造建築だが、昔ながらの工法で作られた箇所が至る所に見られ、大黒柱 […]

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佳作「お仏壇がつなぐ父との時間」山本美和 (北海道・47歳)

わが家のお仏壇は、父が59歳で旅立ってから母と私が大切に守り続けてきました。 父は生前、明るくて家族思いの人でした。どんなに忙しくても家族との時間を大切にし、笑顔が絶えなかった私たち。そんな父がに逝ってしまった日、心にポ […]

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佳作「山桜のお仏壇」建内真由子 (新潟県・41歳)

「いつか死ぬときは、桜の季節がいいなあ」ロマンチストだった父は、まだ若く健康だった頃からよくそう言っていた。桜の花の凛とした美しさと、潔く散る姿を心から愛していたのだ。そんな父が十年前、六十四歳で突然の病に倒れ、三カ月間 […]

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佳作「お浄土に諍いなし」久井孝則 (大阪府・72歳)

6年前、義父が亡くなってから一人暮らしを続けていた妻の母も亡くなり、実家が空き家となってしまった。わが家からは、車で10分程度の距離だったので、時々空気の入れ替えと掃除に訪れた。時間が止まってしまった生活感のない家で、い […]

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仏壇公正取引協議会
祈ってみよう、大切な誰かのために。PRAY for (ONE)