わが家の仏壇は幅三尺の小さなものだが、仏間中央にでんと居座り存在感がある。この仏壇は昭和七年に祖父が購入したものである。祖父は私の生前に亡くなっているのだが、仏座の中にいつも祖父の面影を思い描いている。 父は私が六歳の […]
もっと読む
10年前、100万の定期預金が満期になった時のこと、ふと、思いついた使い道は、やがて自分の魂の落ちつき場所と、仏壇を購入することだった。 勤めていた冠婚葬祭会社の取り引き業者から、ナラ垢材の仏壇を買った。我が家には、あ […]
もっと読む
母は私を出産してから2週間後に尿毒症で亡くなりました。もう、52年も前のことです。母が亡くなった後、父は私がもの心つく前に、お見合いし再婚しましたので、実の母が亡くなっていたことを知ることはありませんでした。全く気づきま […]
もっと読む
平成七年五月二三日に夫と死別した。生活のために、学習塾を経営することにした。だが、経営してから一年も経たない、平成九年二月二五日に、最愛の息子が突然死。二四歳の若さである。 気が狂いそうになった。私は娘よりも息子の方が […]
もっと読む
道楽者であった父が六人の子供を残して亡くなった。勿論財産などあるわけがない。金が入れば遊興に費やしていた父だったから。 働き手を失った母は戦後の食糧難の時代を食べ盛りの子をかかえ、女工として得るわずかな賃金をやりくりし […]
もっと読む
3歳になる娘は、親の私が言うのもなんだが、信心深い。夕食前に風呂に入り、風呂から上がると、髪も乾かさずに仏壇の前へ走っていく。ご飯、お水、ろうそく、お線香をお供えするためだ。 私の父は私の学生時代に亡くなっており、母 […]
もっと読む
第4回フォトエッセイコンテスト「わが家のお仏壇物語」は2012年2月20日で締め切りとなり、全102作品を応募して頂きました。いずれの作品も秀作揃いでしたが、審査の結果以下のように金賞以下の入選作品が決定いたしました。入 […]
もっと読む
「お母ちゃんが大事にして来た仏壇を守っていくのが、長男の嫁の勤めやろ!」。舅・夫・姑の順に送り、子供のない私が今後施設に入所する事になっても持って行ける小さな仏壇に替えたい旨、親戚に伝えた時の返事が冒頭の怒声であった。 […]
もっと読む
父が他界したのはもう十年以上も前の事で、僕はまだ小学六年生だった。死後仏壇の前に座る機会はもちろん多々あったし、幼かった時から、仏壇前でよく近況報告のような事をしていたのを覚えている。 そんな僕ももう二十三歳になり、今年 […]
もっと読む
結婚して二年目、私は心の病になった。 仕事と家庭、その他にも多忙が重なり、気が付かないうちにストレスを抱えてしまった。笑うことも忘れ、ふさぎ込み何もできなくなってしまった。家族はそんな私を見て心配し、一刻も早く良くなるこ […]
もっと読む