専門紙「月刊宗教工芸新聞」が提供する
仏壇と仏壇店情報
私と母は、お仏壇の前に座り、手を合わせ、死んだ祖父、祖母、父の法名を読みあげて、 「どうか成仏してください。」 と、お祈りした後で、父に、近況報告をしている。 「十月に、おばさんが、亡くなったよ。もうすぐお正月がきて、令 […]
私の16歳年上の長兄が、太平洋戦争で戦死して80年の歳月が流れた。私の父は、遺骨は戻らず何も入っていない空の骨箱と、位牌をリンゴ箱の上に置き、長兄に朝夕線香を供えていた。当時、我が家には仏壇が無かった。育ち盛りの子供たち […]
その日は朝から蒸し暑く、早朝よりセミの鳴き声が一層暑苦しく近くの公園から聞こえてきた。 お盆が近くなった日の朝、新聞に仏壇の広告が入っていた。夫はこの広告をじっと眺めていて、 「お母さん。お昼から仏壇を見に行こうよ」 「 […]
この写真からわかる通り、うちは寺である。私の実家にはお仏壇が無かったので、私はこれを“仏壇的玉の輿”と考えて、たいそう喜んでいた。 ところが、浄土真宗では寺も、寺の中のものも全て門徒のものなのである。私物ではない。なので […]
幼い頃から私は、短気で厳格な父親があまり好きではありませんでした。母も私たち3人兄妹も、いつも父の機嫌を損ねないように生活していたように記憶しています。そのような性分だったせいか、父は実父母や実妹や実弟と仲が良かったとは […]
私の家の和室には、去年購入したばかりの真新しい仏壇がある。私はその仏壇に向かって、毎日ファンサービスを行っている。 今、仏壇を独占しているのは私のおばあちゃんだ。2年前に認知症を患い高齢者住宅に入所したおばあちゃん。コロ […]
今夏、お盆に実家へ帰り、お仏壇の掃除をしていたところ、一枚の古い写真が出て来た。日付は93年11月23日。今から28年前の写真だ。掃除の手を休めて見入ってしまった。 写真の前列左側に写っているのが小学生だった私だ。記憶を […]
物心ついた時からお仏壇はそこにあった。それがなにかも分からないほど幼い時からあり、幼少期の私にとっては家具の一部であった。私の祖父が仏門に入っていた事もあり、私たち家族は仏壇を大切にし、それを後世である私たちにもいつもそ […]
二年前に家を出た。将軍様・お局様のごとく君臨する、舅・姑との同居二十年めにして、限界を感じたからだ。この時、一緒に連れ出したのが、十五才のままの次男である。正確に言えば、セラミックプレートに加工された次男の遺骨だ。十一年 […]
朝晩に、何か嬉しいことがあった時に、何か報告したい時に手を合わせるお仏壇。 祖父母、父、母のお位牌を見つめて感謝の気持ちを送れば、きっと想念は時空を超えて伝わっている。 ある日のこと、急遽、祖父母の田舎の土地を整理するこ […]