仏壇選びの達人

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第14回わが家のお仏壇物語

佳作「お位牌も生きている」 戸部真弓(千葉県・40歳)

朝晩に、何か嬉しいことがあった時に、何か報告したい時に手を合わせるお仏壇。
祖父母、父、母のお位牌を見つめて感謝の気持ちを送れば、きっと想念は時空を超えて伝わっている。
ある日のこと、急遽、祖父母の田舎の土地を整理することになり名義変更など様々な手続きを行った。
すべて無事に手続きが終わりホッと一安心。帰宅後お仏壇に挨拶をする。
「おじいちゃん、おばあちゃん 良かったね無事終わったよ。」
下げた頭を元に戻すとビックリ!!
祖父母のお位牌だけが、いつもの位置から1段うえに上がっていた。
こんなことってある!?まさか空巣の仕業?お位牌だけ動かすなんてどんな嫌がらせ(笑)?家の様子は変わりない。
もしやネズミ?お位牌を倒してしまうなら分かるけど、ていねいに1段持ち上げる?
この時、家には私ひとり。この不思議体験を兄にも伝えたい。でも写メするのもなんだかなぁ。
本当に驚いたけど何故だかイヤな感じ、不吉な感じはしなかった。
きっと、祖父母が「よくやってくれたね。おかげでスッキリしたよ、ありがとう」とスキップしたんじゃあるまいかと私は受け取った。
お仏壇のお位牌に語りかけたり、ご先祖さまの好物をお供えしたり、掃除をしたりすると何故だかこちらまで清々しい気持ちになり嬉しくなる。
供養とは、共に養うということ。子孫が幸せに生きることも立派な供養になるはずだ。
ご先祖さまから命のバトンを引き継いで奇跡的に生かされているわたし達は、それぞれが輝かしいその家系のトップランナーである。
わたしの今日という日はご先祖さまと共にある。

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