専門紙「月刊宗教工芸新聞」が提供する
仏壇と仏壇店情報
第12回わが家のお仏壇物語
私のおじいちゃんは、私が生まれた年に、亡くなりました。だから、私はおじいちゃんのことは、あまり知りません。知らないことは、いっぱいあるけれど、おばあちゃんに聞くと、いろいろなことを教えてくれます。
最近、なぜかな、と思うことがありました。それは、私が夏休みなどで、おばあちゃんの家にとまった日の、朝起きてからのことです。おばあちゃんは、必ず自分のごはんを食べる前に、おじいちゃんのお仏壇にごはんをあげます。おばあちゃんに聞くと、みんなの見守りをして、朝つかれきっているからだそうです。また、「毎日同じ味であきないのかな。」と、おばあちゃんに言うと、その日、おじいちゃんのごはんは、のりたまになりました。おじいちゃんは、嬉しかったと思います。
私は時々、おじいちゃんとお仏壇でぶつぶつ交かんをします。おかきを持って行って、みかんをもらいます。そのみかんは少ししぼんでいる気がします。みかんを見て、やっぱりおじいちゃんが食べているんだなぁと思いました。
私は、おじいちゃんに会ったことがないので、やっぱり、おじいちゃんに会ってみたいです。近ごろは、おじいちゃんが写真から飛び出してくればいいのになぁと思います。私は、おじいちゃんと一緒に遊べるなら、おじいちゃんが子供のときの遊びと、今の遊びを交互にやって、いっぱい遊びたいです。そんなことを思いながら、おじいちゃんとお仏壇の前でお話ししています。