専門紙「月刊宗教工芸新聞」が提供する
仏壇と仏壇店情報
第15回わが家のお仏壇物語
私の母方の田舎は京都の丹波地方、そして父方は福井の若狭。どちらも田舎で家は大きく、仏壇を飾る仏間があった。
私が小学生の頃、田舎へ行き仏間に入ると何か怖い感じが…上を見上げると鴨居に物故者の写真が。放課後の音楽室に一人入り、ベートーヴェンの写真を見て何か気持ち悪いと感じた時と同じ。
今は亡き両親と暮らした家は、京都市内で小さいが、兄が父が亡くなった時に大きな仏壇を買った。仏壇の守りは私と母だったが、母も亡くなり家をこぼし売却の時、仏壇を兄と私のどちらの家で?少し揉めて結局兄の家に。
そんなことがあった後、妻が病気で58歳で天国へ…妻はコンパクトな家に大きな家具は不用との考えの人間だった。だから娘と相談して、棚に置ける仏壇に。
毎朝5時に線香をあげ祈る。写真も怖くない妻の笑顔。そしてお供えは妻の好きだったチョコレートや、和歌山県の有田出身だったのでミカン。
そして妻の実家へ帰省の時に乗った有田鉄道のバスのミニカーも。自分なりにアレンジ、子供の頃に怖かった仏間と真逆。妻と今も居間で楽しく過ごす。