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第15回わが家のお仏壇物語

佳作「わが家自慢のお仏壇」 ペンネーム 鈴木ランチ(福岡県・46歳)

私の父は婿養子だ。

農家の家に左官の仕事をしている父はやってきた。

建築関係の仕事をしながら家の農業もやり、とても働き者の父である。

私が小学生の時に住んでいた家が建てかわった。

茅葺き屋根の古い家から瓦の屋根の家になった。

もちろん父が建てた。

父は家を建設中、時間がある時に何かを作っていた。

それは仏壇を入れるところに飾る家紋だった。

木彫りの家紋はすごく綺麗で子どもの私でもずっと眺めていたくなるものだった。

子どもの時の私は仏壇は毎日手を合わせるものの少し怖かった。

古い家の仏間は暗くてろうそくの形のランプだけでは一人では近寄りがたかった。

それが新しい家の仏間は父が彫った木の家紋のおかげでぬくもりのある空間になった。

父は優しい性格で母方の祖父母にすごく気を使っていた。

家を建て、我が家の家紋を彫り仏間にはめ込むことで父もますますこの家になじんでいったと思う。

子どもの私から見ても父が以前より何か変わったのが分かった。

それはとても嬉しいことで子どもながらに安心感があった。

そんな我が家の仏壇と仏間の家紋を見ると当時の感覚が思い出されあたたかい気持ちになる。

父が作った特別な仏間と仏壇は我が家の誇りである。

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