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第15回わが家のお仏壇物語

佳作「ご先祖様のお陰」 西村絵美(岡山県・36歳)

 我が家の二歳の娘は活発で、机や椅子をジャングルジムの替わりに遊んでいます。今日も廊下を足蹴りの車で全力疾走。急に静かになったので不安になり様子を見ると、仏間に入って手を合わせていました。誰に教えてもらったのか、おりんもしっかり鳴らして。振り返るとニヤリといい笑顔。娘には仏間もお仏壇もいい遊び道具のようです。時々こっそり仏間に入っては、歌いながらおりんを鳴らしたり、正座をして手を合わせたり、立ったままお供えをチェックしたり、自由に過ごしています。

 先月まで半年間ほど入院生活を送っていた娘。一時退院や付き添いの交代の時にはお仏壇に手を合わせていました。予定より一ヶ月も早く退院できたのは、本人の頑張りとご先祖様のお陰だと思います。入院中はあんなに一生懸命に手を合わせていたのに、退院後は疎かになっていた事に気がつきました。

 娘と一緒に手を合わせると、背筋が自然と伸びます。賑やかな日常の中に、一瞬訪れるこの穏やかな時間が私は大好きです。手を合わせる可愛い姿と、ご先祖様のおかげで命があることのありがたさを感じるのです。

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