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第13回わが家のお仏壇物語

佳作「我が家の仏壇とお盆」 長田佳菜子(東京都・26歳)

 

両親や姉妹と喧嘩をした日、賞状をもらった日、受験に合格した日、上京する日、事あるごとに手を合わせご先祖様に何でも報告する場にしてきた実家の仏壇。実家を出た今、私が仏壇の前で手を合わせるのは、一年に一度実家に帰るお盆の時期しかない。

毎年実家に帰ると自然と真っ先に仏壇の部屋に足が向かう。ご先祖様に「今年も帰ってきました。お陰様で元気に過ごしております。」と挨拶をするのだ。

仏壇の前に立つと、私が学生の頃に亡くなった祖父母のことを思い出す。仲良く食事をしていた姿、祖父母の寝床から聞こえた会話、喧嘩をしていた姿、祖父がよく話をしてくれた戦時中の話やたまにする祖母自慢、「ごはんができたから、爺さんを呼んできてくれるかい?」と言う祖母の姿など様々な記憶が蘇る。

私の実家の仏壇の部屋は、お盆の時期になると、一気に賑やかになる。私の地元、喜界島では、お盆の時期になると灯篭を飾り、「おはつ」と呼ばれるたくさんのお菓子や果物、郷土料理等のお盆用の食事を机いっぱいにお供えする風習があるのだ。これは私の家だけかもしれないが、お盆最終日は家族全員で仏壇の部屋で食事をする。そして食後に談笑したり、歌ったり、踊ったりととにかく賑やかに過ごすのだ。「また来年も会いましょう。」と思いを込めつつ賑やかにご先祖様をお見送りするのだ。それも私が帰省する際の楽しみの一つになっている。

2020年のお盆は新型コロナウイルスの影響で帰省ができなかった。ビデオ通話を利用して、画面越しにご先祖様に挨拶をすることはできたが、お盆の雰囲気を肌で感じることはできず、何だか寂しい感じがした。今年のお盆は、新型コロナウイルスが落ち着き、また家族とともに仏壇の部屋でお盆の雰囲気を直に感じられることを私は願う。

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