専門紙「月刊宗教工芸新聞」が提供する
仏壇と仏壇店情報
第13回わが家のお仏壇物語
昭和35年12月5日、私は縁あって田舎からも一つ田舎の豊かな自然がいっぱいの山村へ嫁いできました。
嫁ぐ日、生家のお仏壇にお参りし、元気で幸せになることを誓い、婚家では一番先にお仏壇で「よろしくお願いします」とあいさつ、そのあとお寺にお参りしました。
しばらくの間、4キロ先まで自転車に乗り勤めていましたが、家業のタバコ店と少しばかりの農業を引き継ごうと退職し、家に入りました。
そのころ、義母は毎晩お仏壇の前でもくもくとお経を唱え、それが始まると私も後ろについて習っているうちに、いつの間にか正信●偈を覚えてしまいました。
大きな仏壇ですが、三つ具足のうち燭台の鶴の足が長いこともあって、ローソクの炎で天井のすすけがひどくなり、義母はそろそろお洗濯しなければと口癖でした。
「長らくお世話になりました。これからは朝夕お内仏から会いましょう」と書き残して、10年前に95歳で義母は他界、それからは私がお経を勤めています。
主人と相談して数年前に地元の仏壇店でお洗濯してもらおうと決心。注文してから3カ月後に見違えるほど金ピカになって帰ってきたお仏壇、お坊さんに来てもらい家族揃ってお勤め、わが家のお仏壇新時代の始まりです。
昨年、私たちはダイヤモンド婚式を迎えました。分家した次男家族、結婚した孫娘家族も来て、お仏壇の前でお祝いをしてもらい感激でした。
2人とも85歳を越えました。こうして長寿できるのも先祖のおかげと感謝し、ますます健康で長生きすることを願い、お勤めを続けたいと念じています。