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第17回わが家のお仏壇物語

佳作「心の中でずっと」葉山ゆかり (東京都・46歳)

実家の仏壇に飾られている母の写真。
7年前に、子供達と私と、母と4人で遊園地に行った時に、私が撮った写真だ。
1人で写っている写真がなくて、3歳だった娘と、母が2人で写っているのを切り取った写真。
ちょっと若すぎる母の写真。

母は、再発性多発軟骨炎という難病で亡くなった。
頭や喉が痛くて、ずっと原因が分からず、病院を何件も回った。
ようやく原因が分かった時には、10キロも痩せてしまった。
何度も、もうダメかもと覚悟を決めた。
母の体調が急変するたびに、泣いた。
年末に、病院からも転院の話がでた。
つまりは、もう、やり尽くせることはやりきったということ。
それまで許されなかった病院での面会が、許された。
年明け、何度かお見舞いに行った。
その間も、何度も、もう、いよいよダメかも、という時があったが、何度も、持ち直した。

きっと、私たちが、きちんとお別れができるように。
悲しみすぎないように、お別れの時間をくれたんだ。

お見舞いに行くと、普通にたわいない話をたくさんした。
苦しそうな時もあったけれど、いつもの母の時もあった。

自分の中で、少しずつ母とのお別れの準備ができた。

たくさんの愛をもらったけど、あまり返せなかったかもしれない。

お葬式で、みんなが、遺影を褒めてくれた。
遺影は、若々しくて、元気だった、孫と遊ぶのが大好きな母のまま。
仏壇の前で、母の遺影を見るたび、たくさんの思い出が蘇る。
みんなで旅行に行ったこと、遊園地に行ったこと。
息子と娘とたくさん、遊んでくれたこと。ずっとずっと、忘れない。

今まで本当にありがとう。

 

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