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第3回わが家のお仏壇物語

佳作「救われる仏壇」高田 憲嗣(岡山県・17歳)

 私の父はどうも霊感が強いらしく、人の形をした何かが見える。ということがたまにあるそうです。私は信じていなかったのですが、法事の時を境にこれが本当の事だったのだなと思うようになりました。  

それは法事の時の事です。家族や親戚が仏壇の前に集まり、お坊さんがお経を上げて先祖を供養します。お坊さんがお経を上げ始めてから数十分。仏壇の方からなにやら嫌な「気」が感じられるのです。私は息苦しいというか、すこしばかりの不快感を感じ始めました。そうしたら、仏壇の方から黒くもやもやした物が次々と出てくるのです。私は怖くなって硬直してしまいました。

父から聞いた話ですが、その時仏壇からは、得体のしれないおどろおどろしい者がはいずって出てきていたそうです。私が怖くなって、泣き出してしまいそうになったその時、お坊さんがお鈴をチーンと鳴らしました。その瞬間、仏壇の方へ黒い物がスーっと吸い込まれていくのです。お坊さんがお経を上げ終わった頃には嫌な気も黒い物も全て消えていました。その時「あぁ、そういうものは本当にあるんだな。」と思いました。阿弥陀如来様、そして仏壇に救われた気分です。それと同時に仏教の偉大さや供養の大切さなどがよくわかりました。

その後、仏壇からはそんな嫌な気を感じることもありませんし、むしろ仏壇の前はすがすがしいくらいです。私はそれ以来、今までしたことがなかった仏壇の前に、お供え物をする。ということをやるようになりました。学校帰りに饅頭やどら焼きなどを買ってきて、仏壇の前に立ちお鈴をチーンとならします。きっとこうすれば自分も含めいろいろなものが救われるのです。私はそう信じてお鈴を鳴らしています。

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