仏壇選びの達人

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第3回わが家のお仏壇物語

選外秀作「仏壇は仏様との対話空間」長谷部一郎(山形県・59歳)

わが家の仏壇は昭和59年祖父(享年86才)が亡くなった時に設置しました。私は東京での生活でしたのでその時は実家にはいませんでした。初盆で帰省した際、初めて仏壇を目にした時、あまりの大きさに驚いた記憶があります。古い家なので昔風の造りで仏間は茶の間にあって、床の間と仏間がそれぞれ1間ずつ並んで配置してあります。仏間の上には神棚があり、神仏は上下に東側向きに安置されています。これはこの土地の特徴で大体の家屋がそのような造りとなっているようです。

祖父が初代であるが、その後、祖母、2年前に父、そして昨年母と4人の仏様が仏壇に安置されています。私が32才の時に仏壇を設置したのでその歴史は28年ということになります。当初は年に2〜3回しか帰省しなかったのでその時しか、お祈り出来ませんでしたが仏壇の中の仏様に語りかけるのがとても新鮮で素直な気持ちになれるような何かこの仏間は不思議な空間に思えました。私は建築の仕事に従事していて、又、大学時代は社寺建築を学んでいましたので、仏壇そのものにもとても興味を持っていました。祖父母の時代から朝夕は必ず家族全員が神棚を拝むこととされていましたし又、父母の代になって仏壇が置かれてからも神仏を拝む習慣は変りませんでした。朝は必ずご飯を供え、灯明、線香、お水を供え終ってから朝食を頂くといったことは当然のようになっていました。又、花好きの母は、生花もかかさず供えていました。父母も逝ってしまった今は、この家の中は私1人となり、寂しい限りですが、私も毎日、父母が行っていた時と同じに仏壇には祈りとお供えはかかさず続けております。今後も、家、屋敷、墓を守ると同様に仏壇の中の仏様を大切に後世へと引き継いで行きたいと思っております。(合掌)

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