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第3回わが家のお仏壇物語

選外秀作「わが家のお仏壇物語」豊吉 哲生(北海道・52歳)


子供の頃、仏壇は何となく恐いものだった。どことなく暗い雰囲気が漂っているようで、特に母の田舎の実家の仏壇は特に暗い感じで、その部屋に夜寝なければならないのが厭だった。事実よく眠れなかったことを想い出す。そうした仏壇の暗い雰囲気も、昔亡くなった人をまつる、いわゆる新仏がいない所から来る独特のものだったのかも知れない。

今、家の仏壇は私にとって、まず1日を始める際の心の準備をする場所になっている。今の家は20年前に建てられ、その時は6人で暮らしていたのだが、そのうちの4人は故人になっている。特に母は一昨年、祖母は昨年亡くなって、いわゆる新仏が多い仏壇になっている。今の私には仏壇が暗いとか、辛気くさいと言う感じはしない。 朝、食事をする前に、必ず仏壇に御飯や水やお茶を供え、線香を焚いてお参りをする。そうやって1日を始めることで生活のめりはりがつけられる。

昔家に暮らしていた人はほとんど亡くなり、今は私一人である。そう言う私にとって、朝仏壇にお参りをするという習慣がないと、生活が乱れ、崩れてしまいそうな気がする。亡くなる前までは母が仏壇の朝のお参りだけは欠かさずにしていたが、今では母の気持ちが良くわかる気がする。この年になってようやく仏壇の意義がわかり始めたが、亡くなった人に語りかける場としての仏壇を大切にしていこうと思っている。

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