仏壇選びの達人

専門紙「月刊宗教工芸新聞」が提供する
仏壇と仏壇店情報

第3回わが家のお仏壇物語

佳作「お仏壇の思い出」太田裕美(千葉県・62歳)

セール中でもないのに定価の半額でゲットした我が家のお仏壇は紫壇で、とても美しい細工のシンプルなお仏壇。6年前、27才の娘が父親の為に、そして私が主人の為に買ったもの。
 宣告されるその日まで、大変元気で、週末にはゴルフに出かけるのが趣味で、まっ黒に日焼けしていた。178センチと背も高く、どこから見ても彼が余命半年から一年なんて思えなかった。会社の健康診断で異常が見つかり精密検査の結果だった。
 宣告を受けてから私達家族の闘いは始まった。抗癌剤の投与、放射線の照射。副作用。食事療法もとり入れて体質を改善しようと、娘達や息子も協力して食材を買い集めたり、免疫力を高める為に笑いをとり入れて、落語や漫才を聞いてもらったり。それでもその甲斐なく、大好きだった彼等の父は天国へ、先生の宣告通り一年と一ケ月で旅立ってしまった。
 子供達は父の為にとお仏壇を捜し廻わり、気に入ったのを見つけたのだが、何と予算の倍。何度も見に行って、ついに下の娘がお店の社長さんに、肺癌で闘病の末、一年一ケ月で亡くなった事をお話して、どうしても父の為にシンプルな物が好きだったので、この美しい仏壇を買ってあげたいとお願いしたら、考え込まれた末にお父上に是非と半額にして下さったのです。
 本当に夢の様でした。娘と私は何度もお礼を言いに行きました。子供達3人が気に入って選んだシンプルで美しいお仏壇に、主人はとても満足そうに微笑んで祭られています。56才とまだ働き盛りの現役での死。”只今。”と言って帰って来るのではと思ってしまう。「パパ! 住み心地は如何? 子供達が元気で頑張れる様に見守っていてね。」と、お仏壇に毎日話しかけてしまう。我が家自慢のお仏壇は「大丈夫だよ。見守っているよ。」と答えてくれる。
 私達は大きな安心の中で暮している。

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仏壇公正取引協議会
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