専門紙「月刊宗教工芸新聞」が提供する
仏壇と仏壇店情報
第4回わが家のお仏壇物語
我家にお仏壇が置かれたのは、四年前の事。突然のバイク事故で十六年の生涯を終えてしまった息子の供養に輝いた人生を送った証にお仏壇が置かれました。
最愛の息子の死を受け入れられず言葉に出来ない絶望感や喪失感、泣いてばかりの日々。
心にポッカリあいた穴を埋めたくて、娘を連れて息子と行った公園やお店に行っても、ただ悲しくなるだけだった。夢でも良いから逢いたい!
苦しかった…悲しかった…辛かった…
それでも時は過ぎて行く、何事もなかったように。四十九日を迎え、お仏壇に魂入れがされ息子の位牌が、ご先祖様に見守られている安堵感に包まれた日になりました。
この日を境に毎朝、毎晩、心静かに手を合わせる事が日課になり、悲しみは変わらないけれど、魂で会話が出来てる気がして、いつも近くに居てくれる気がして、いつの間にかお仏壇の前は、癒しの空間になりました。
泣きたい時は、遠慮なく泣くので息子は「大丈夫かぁ?」って見守っているでしょう。こんな繰り返しの毎日だけど、息子が生きたかった、今をこの時を私達家族が精一杯生きて行かなければ、当たり前だと思っていた幸せな日々、命の大切さ儚さを息子が教えてくれた。だからこそ、今を大切に生きている。
今日もまた『おはよう』で始まり『おやすみ』で終わる。いつの日か、息子に逢える日まで笑顔で時には、泣き顔で毎日、手を合わせ魂と魂で会話をします。
“生きよう”って希望の光を運んで来てくれた大切な大切な、我家のお仏壇です。