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第16回わが家のお仏壇物語

佳作「ご先祖様に、ウートートー」 細羽美咲(沖縄県・32歳)

 グソーに、ウートートーしとんどー。

 沖縄の方言で、あの世(ご先祖様)に手を合わせているんだよ。と言う意味です。

 自宅には、お仏壇があるのが当たり前、と思っていた幼少期。

「おじーや、おばーが、あんたのこと見守っているんだよ。」

 母の言葉を聞きながら、母と兄と一緒に、お仏壇に手を合わせていたのは、物心ついた頃からです。テストで100点を取った時も、陸上でメダルをもらった時も、旅行でお土産を買った時も、我が家は決まってお仏壇にお供えし、ご先祖様に報告しました。そして、心の中で(頑張ったよ、凄いでしょ!)とか(美味しいお菓子をどうぞ)と話しかけるのです。

 また、陸上の大会で、家族が応援に来れない時も、陸上が大好きだったおじーが応援してくれている気がして、心強い気持ちでした。

 お仏壇があることで、ご先祖様との距離が身近に感じたのでしょうか。ご先祖様が私を見守っているということは、私のする悪いことも見られていると言うことです。

 例えばポイ捨て、信号無視、拾った財布を自分のポケットへ。誰もいないところで、誰も見ていなくても、自分自身の心と、ご先祖様は見ているんだと思うと、自分で無意識にストップをかけ、罪悪感や後悔から私を守ってくれます。

 亡くなった現在でも、おじーとおばーのことが大好きで、写真でしか会ったことのない、ひいおじーとひいおばーも、大切なご先祖様がいたからこそ、今の私がいると思うと嬉しいですね。

 ご先祖様にも、母にも、そして、子や孫にも恥ずかしくないよう、笑顔いっぱいの毎日を過ごしたいです。

仏壇公正取引協議会
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