専門紙「月刊宗教工芸新聞」が提供する
仏壇と仏壇店情報
第14回わが家のお仏壇物語
実家では、私が幼い頃には祖父が、祖父が亡くなってからは父が毎晩お祈りをしていた。
(今も父は毎日お祈りをしている。)
結婚後暮らしている夫の実家では、仏壇はあり花は飾られご飯とお水は備えられているが、お祈りをするのは盆、彼岸、正月となっていた。宗派により違うのだろうと思っていたが、家族内にトラブルが起こった時、姑が他人に言われて毎日拝まなければならないと言ったのでお祈りするようになった。
最初はもちろん反発を感じ、嫌々お祈りしていたが、徐々に祈ることで心が落ち着くのを感じるようになった。続けるほどにお祈りすることは生活の一部になり、しないと落ち着かないように感じるほどになった。それに合わせるように不思議なことだが家族内も落ち着いていった。
その時に思ったのだ。ご先祖様はこれを望んでおられた、そして今とても喜んでおられると。
自分だったらと想像してみた。子どもはかわいい、さらに孫はもっとかわいいだろう。さらにその下の下の祖先たちが、かわいくないわけないではないか。
その人たちが自分にまったく無関心であれば寂しさを感じ、逆に関心を持ってくれればこんなにうれしいことはないのではないか。
お祈りすることでそれが伝わるのではないか。
そのようなわけでお祈りは十年を超えて継続中だ。毎日大きな事件事故に巻き込まれることなく、平穏に暮らせるよう、見守ってくださってありがとうと、毎日お礼を伝えたくてお祈りしている。
今日も明日も、お祈りできない日が来るまで、お祈りし続けるよう。