仏壇選びの達人

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第14回わが家のお仏壇物語

佳作「我が家の仏壇」 佐藤かずえ(宮城県・66歳)

かなり年代物の仏壇を、新しい仏壇に替えたのは、父が亡くなった時だった。
いつぞや葬儀の際、法話の中に、「仏壇は亡くなった人の家」という話が、頭の中に残っていて「やはり古い家より、新しい家だ」と、少々無理をして仏壇を買ったのだ。
私は、どっしりとして存在感のある黒檀を押した。母と妹は、優しい色合いと、彫り物が施してあるケヤキを押した。散々迷って、ケヤキに決めた。決め手は明るさだった。
住宅街にある我が家は、隣家との境が、狭く、障子を閉めると少々薄暗いのだ。
今になればケヤキで正解だ。
運び込んだ時、部屋の中が、フワッと暖かくなった。明るさも増した気がした。
それから、十四年が経つ。
仏壇は、毎日焚く線香の煙で燻され、年中行事で飾られて、艶と重みを増してきた。
春彼岸の少し前の、父の祥月命日から始まり、祖父・祖母・叔母の祥月命日と続く。
そして、最大行事のお盆だ。昔は、どこの家でも、大掛りな飾り付けだったが、今は飾る家を、あまり見なくなった。我が家は、昔のままの飾り付けだ。
仏壇の前に、笹竹の門を作る。前面には、夏に採れる野菜を、糸で括り付け、吊るす。ナス、キュウリ、ミョウガ、トウモロコシ、ササギ、枝豆、ホウズキ等々。左右対称に、吊るす。ホウズキは、門の真ん中だ。
ホウズキの赤が、仏様の提灯になるそうだ。
行燈やら提灯やら並べられ、花瓶の数も増え、お供えも加わり、仏壇は賑わいを増す。
それから、すぐに、秋彼岸。
こうやって、線香の煙と、打ち金の響きが毎日ある、我が家の一年が終わる。
我が家の仏壇は、これからも忙しく行事をこなし、益々、磨きがかかっていくのだろう。
皆々様、仏壇の住み心地は、いかがでしょうか?

仏壇公正取引協議会
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